ポーランドの作曲家モニューシュコの歌劇「幽霊屋敷」
夏場の定番といえば「怪談話」や「お化け屋敷」だがポーランド国民主義音楽の祖モニューシュコ(Stanisław Moniuszko/1819~1872、写真1)傑作オペラのひとつに「幽霊屋敷(Straszny Dwór)」(1861-64)がある。 この作品は「幽霊」そのものが舞台に登場することはないが「幽霊屋敷」と噂される館に住む美しい二人の姉妹が戦争帰りの独身主義を貫く兄弟と結ばれるまでの騒動をコミカルに描いている。 ただ作曲者存命中の上演は当局検閲により禁止となり僅か3回にとどまった。 しかしポーランド国内人気は依然として高く劇中のポロネーズやマズルカ等々の舞曲もオペラの雰囲気を盛り上げている。 紹介LPはワルシャワ国立フィル来日公演や読売日響への客演等々で馴染みも深かったヴィトルド・ロヴィツキ(Witold Rowicki/1914~1989)指揮によるオペラ(全4幕)の聴きどころを収めたハイライト盤である。 懐かしい当時のポーランド国営レーベル”Polskie Nagrania”Muza”通称「ムザ」盤である(写真2 LPジャケット、ポーランドMUZA-SX 0253/写真3 LPレーベル面)。 ちなみにポーランド語による全曲日本初演はコンサート形式で作曲者生誕200年記念の年にあたる2019年に上演されたこともまだ記憶に新しい。