ヨセ・ファン・ダム、歌曲リサイタルを聴く

ヨセ・ファン・ダム、歌曲リサイタルを聴く - 1999年12月13日、ミラノ・スカラ座にて -

1999年12月、私はいよいよ「ミレニアム・イヤー」を目前に控えたミラノに滞在していた。オペラの殿堂,「スカラ座(Teatro Alla Scala)」(写真1 筆者撮影)ではリッカルド・ム-ティ指揮によるベートーヴェン歌劇「フィデリオ」で2000年シーズンが開幕中であった。私は何とか明日12月14日のチケットを入手済みだった。前日13日のオペラはOFF、代わりにベルギー出身の名バス=バリトン歌手、ヨセ・ファン・ダム(José van Dam)のリサイタルが開催される。せっかくなので私も当日券を求め「スカラ座」に向かった。当日券にしては1階の平土間席を確保できラッキーだった(写真2 コンサート・チケット)。「José van Dam」は日本では「ヨセ・ファン・ダム」のほか「ジョセ・ヴァン・ダム」、「ホセ・ヴァン・ダム」など色々と表記されているがここでは「ヨセ・ファン・ダム」で統一したい。彼は承知の通りカラヤンとのつながりも深く数々のオペラ・声楽作品をレコーディングしている。いわば「カラヤン組」では欠かせないバス=バリトン歌手でいずれも名演を聴かせている。とりわけワーグナー舞台神聖祝典劇「パルジファル」では(1979-80年録音DG)アンフォルタスを見事に歌いあげている。この日のプログラム前半がドイツ歌曲、R.シューマンの代表的歌曲集「詩人の恋」作品48が歌われた。この作品はハインリヒ・ハイネの詩集から16編を選びまとめられている。これまで彼はこの作品を確かレコード録音もしていなかったと思うので彼が歌う生のコンサートは貴重な体験になった。後半はフランス歌曲、フォーレ、デュパルク、ラヴェルの作品が組まれていた。これまた彼のフランス歌曲を生で聴くことも初体験であった。当日披露された作品を列挙するとフォーレの作品から5曲「ゆりかご」、「月の光」、「夢のあとに」、「牢獄」、「マンドリン」。デュパルクの作品から3曲「旅へのいざない」、「悲しき歌」、「ギャロップ」そして最後にラヴェルの「ドルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ」から「ロマネスクな歌」、「叙事的な歌」、「乾杯の歌」の3曲で幕がおりた。ピアノ伴奏は彼とコンビを組むポーランド出身のマチェイ・ピクルスキ(Maciej Pikulski)が務めていた(写真3 コンサート・プログラム表紙/写真4 プログラム曲目)。コンサート終了後、いつものようにスカラ座楽屋ロビーでプログラムにサインを入れてもらった(写真5 ヨセ・ファン・ダムのサイン/写真6 サインしてくれているところ)。

写真1 夜のミラノ・スカラ座

写真2 ヨセ・ファン・ダムのコンサート・チケット

写真3 ヨセ・ファン・ダム 歌曲リサイタルのプログラム表紙

写真4 ヨセ・ファン・ダム 歌曲リサイタルの曲目

写真5 ヨセ・ファン・ダム に入れてもらった サイン

写真6 サインするヨセ・ファン・ダム