リヒテル、アンチェル&チェコ・フィル/チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」、1954

スヴャトスラフ・リヒテル(Sviatoslav Richter/1915~1997)のチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」の録音は過去に取り上げ済みのヘルベルト・フォン・カラヤン&ウィーン交響楽団との独グラモフォンの1962年ステレオ録音が最もよく知られている。 今回紹介のカレル・アンチェル指揮チェコ・フィルによる「チェコ・スプラフォン」1954年録音はリヒテル39歳の時ものである。 リヒテルは1950年代「プラハの春音楽祭」には常連で出演、絶賛を浴び並行してセッション録音されたと云われている。 1954年録音なのでオリジナルはモノラル録音と思われる。 紹介盤は西側では当時「幻のピアニスト」と呼ばれた彼が1970年に初来日した際に「日本コロムビア」の廉価盤「ダイヤモンド・シリーズ」としてリリースされた懐かしの1枚である。 ジャケットには「ステレオ」の表記があるがおそらく電気的にステレオ化されたものだろう。 しかし今針をおろしてもその違和感は感じられないほど録音も優秀である。 またこのシリーズのジャケットはヨーロッパの風景写真が一般的だったがリヒテルのモノクロ写真が使用されており珍しかった (写真1 LPジャケット、日本コロムビアMS-1090-S /写真2 LPレーベル面)。

写真1    リヒテル、アンチェル&チェコ・フィル/チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」日本コロムビア-ダイヤモンド・シリーズ廉価盤LPジャケット(MS-1090-S)

写真2    LPレーベル面