ルイ・フレモーの知られざる名盤から

前々回(漫遊記682)取り上げたサンソン・フランソワのショパン「ピアノ協奏曲」録音を指揮したフランスの名匠ルイ・フレモー(Louis Frémaux/1921~2017)の知られざる名演盤から1枚紹介したい。彼はモンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団の音楽監督時代(1960年代)独グラモフォンにフランス管弦楽曲集やオペラ序曲集など同楽団と共にいくつかの名録音を遺している。 その中から筆者が一番好きな彼の「イタリア・オペラ序曲集」にスポットをあててみたい。 紹介するレコードは1970年代中ごろに当時の欧州経済共同体(ECC)加盟国を中心にリリースされた独グラモフォンのスペシャル盤でブリュッセルのレコード店で求めた1枚である。 この日本国内盤がリリースされか否かは定かではないがヴェルディの「運命の力」「シチリア島の夕べの祈り」をはじめとしてロッシーニ「絹はしご」「セヴィリアの理髪師」「アルジェのイタリア女」そしてベッリーニの「ノルマ」まで名序曲が揃っている (写真1 LPジャケット、独グラモフォン2544 139 / 写真2 LP収録作品/写真3 LPレーベル面) 。 オーケストラ・ビルダーとしても知られたフレモーの力演である。 来日も何回か重ねており写真4は1972年11月「都響」客演の際に当時の期刊誌「都響」に入れてもらったサインである。

写真1    ルイ・フレモー&モンテ・カルロ国立歌劇場管「イタリア・オペラ」序曲集LPジャケット(独グラモフォン 2544 139)

写真2    LP収録作品(ジャケット裏面)

写真3    LPレーベル面

写真4    プログラム期刊誌「都響」に入れてもらったルイ・フレモーのサイン(1972年11月)