ルドルフ・バルシャイ、白熱のライブ盤
旧ソヴィエト出身(後ニイスラエルに亡命)の名匠ルドルフ・バルシャイ(Rudolf Barshai /1924~2010、写真1)が自ら創設したモスクワ室内管弦楽団を率い初来日したのは確か1966年だったと思う。 しかし筆者の記憶に強く残るのはやはり1979年・1982年の読売日響客演時で‘79年の名曲シリーズではピアノの巨匠クラウディオ・アラウが共演したことも懐かしい。 今回の紹介盤はファンの間では今や伝説のライブとも云われるマーラー「交響曲第9番」とショスタコーヴィチ「交響曲第7番 ”レニングラード”」を収めた2CDセット(スウェーデンBIS盤)である (写真2 CDジャケット、BIS CD632+515) 。 前者のマーラーは新生ロシア誕生後の1993年に祖国に里帰りした際、モスクワ放送交響楽団とのモスクワ音楽院大ホールにおけるコンサート・ライブ、後者のショスタコーヴィチはその2年前1991年にライプツィヒのゲヴァントハウス(写真3 筆者撮影2002年9月)で開催された「ドイツソ連侵攻50年反戦記念コンサート」ライブ録音でオーケストラはドイツの音楽大学から選抜メンバーで構成されたユンゲ・ドイッチェ・フィルハーモニー(Junge DeutschePhilharmonie)、モスクワ・フィルのメンバーも参加した合同演奏である (写真4 CD演奏・録音データ)。 どちらもバルシャイのエネルギッシュな指揮に圧倒される白熱のライブで演奏後の興奮した一息おいた聴衆の盛大な拍手がその凄さを物語る。