ルース・ラレードのスクリャービン「ピアノ・ソナタ全集」
「米国ピアノ界のファースト・レディ」と称賛された「ルース・ラレード(Ruth Laredo /1937~2005)はスクリャービンやラフマニノフの演奏に定評があった。
今回は彼女が1970年ニューヨーク、コロンビア大学「セント・ポール・チャペル」でレコーディングした女流ピアニストによる初の「スクリャービン・ピアノ・ソナタ全集」を取り上げてみたい。 この録音は米国製「ボルドウィン(Baldwin)」(SD-10)による演奏で「コニサー・ソサエティ(Connoisseur Society)録音」として知られていたものである。 写真の2CDセット全集盤は1996年に「米ノンサッチ(Nonesuch)」レーベルからリリースされた(写真1 ルース・ラレード「スクリャービン・ピアノ・ソナタ全集」ジャケット(Nonesuch-7559-73035-2)。 またこの全集盤には全10曲のソナタ作品のほか「3つの小品Op.2」から練習曲 嬰ハ短調、「8つの練習曲Op.42」「2つの小品Op.57―”あこがれ(Désir)” “舞い踊る愛撫(Caress dansée)”、詩曲「炎に向かってOp.72(Vers la flamme)」も合わせて収録されている(写真2 CD全集盤収録作品)。 スクリャービンは自国のロシア語のほかフランス語を好み作品表記に用いていた。 録音も大変良好でラレードの神秘的なスクリャービンの世界が味わえる全集である (写真3 ルース・ラレード(写真)とCD録音データ)。