レヴァイン & メトロポリタン歌劇場管 のヴェルディ「レクイエム」を聴く、1997

〜1997年6月11日、NHKホールにて〜

ニューヨーク、リンカーン・センターの「メトロポリタン歌劇場」の専属オーケストラ「メトロポリタン歌劇場管弦楽団」が通称「MET管」としてコンサート・オーケストラとしても多くのファンの人気、演奏水準を高めたことは芸術監督ジェームズ・レヴァインの功績だったと云っても過言ではないだろう。
今回はこのコンビでの来日公演から筆者にとって一番印象深かった1997年6月の「オーケストラ特別コンサート」からヴェルディ「レクイエム」を紹介してみたいと思う。このコンサートはオペラ公演終盤の合間をぬって6月11日NHKホールで開催された。ソリストの4人はミッシェル・クライダー(ソプラノ)、フローレンス・クイヴァー(メゾ・ソプラノ)、ルチアーノ・パヴァロッティ(テノール)、ルネ・パペ(バス)と豪華歌手陣が並ぶ。それに「メトロポリタン歌劇場合唱団」が加わり指揮ジェームズ・レヴァインとくれば文句のつけようがない。この公演では演奏中はNHKホールの客席照明を全て落とし(非常灯のみ点灯)舞台照明のみとなり少々違和感も感じたがこれもまた心理的効果をあげていたのかもわからない。これぞテノールの歌いどころ「インジェミスコ(我は嘆く)」のパヴァロッティの美声も印象的だった(写真1 「1997年レヴァイン&メトロポリタン歌劇場来日公演プログラム表紙」)。さらに驚いたのはコンサート終了後数多くのファンが出演者のサインを求めNHKホールの玄関口から楽屋口まで正確に数えたわけではないがおそらく数百人が列を作り並んだことだった。結果的に指揮者のレヴァインをはじめ4人のソリストたちも並んだ全員のファンに心よくサインに応じてくれたことはさすがに筆者も感服した(写真2 公演プログラムに入れてもらったレヴァインのサイン/写真3 ソリス4人のサイン-左からフローレンス・クィヴァー、ミッシェル・クライダー、ルチアーノ・パヴァロッティ、ルネ・パペ/写真4 MET管の代表盤「エロイカ&未完成」CDに入れてもらったレヴァインのサイン)。写真5は本公演のチケットである。しかし2017年12月に発覚したレヴァインの不祥事問題で今年3月「メトロポリタン歌劇場」側が彼を解雇したニュースが伝わり筆者も含め数多くのファンに衝撃が走ったことは誠に遺憾であった。

写真1 1997年メトロポリタン オペラ来日公演プログラム表紙

写真2 プログラムに入れてもらったレヴァインのサイン(1997年6月11日)

写真3 プログラムに入れてもらったソリストたち4人のサイン(1997年6月11日)

写真4 MET管の代表盤エロイカ&未完成、CDに入れてもらったレヴァインのサイン

写真5 レヴァイン&メトロポリタン歌劇場管 ヴェルディ「レクイエム」公演チケット