ロリン・マゼール、”読売日響“初共演、1987年5月
〜 第240回定期公演 マーラー「交響曲第2番<復活> 〜
1987年は「読売日本交響楽団」創立25周年の記念の年にも当たっていた。 この’87年シーズン定期でとりわけ注目を浴びたプログラムは「第240回定期」(5月9日東京文化会館)での 鬼才「ロリン・マゼール」を迎えての「マーラー交響曲第2番<復活>」だった。 彼はこの前月には「ピッツバーグ交響楽団」と共に来日公演を行っておりその延長線上に幸運にも「読売日響」との初顔合わせが実現した。 しかもマゼールのオハコでもあるマーラーの大曲が生で聴けることに期待を持って私は会場の「東京文化会館」に足を運んだ(写真1 第240回読売日響定期公演プログラム表紙 / 写真2 演奏曲目・出演者)。 会場は興奮した聴衆の熱気で充満、マゼールが振り下ろす棒に集中し緊張感も走る。 マーラーの指示どおり「第1楽章」終了後マゼールは一度指揮台から降りしばらくステージ上で瞑想する(写真3 プログラムに挿入されたマゼール氏の意向を知らせる書面)。 そして圧巻はやはりアタッカで続く終楽章にあった。 マゼールは全体的にゆっくりとしたテンポで進めソプラノ独唱、片岡啓子、アルト独唱、伊原直子の力演が冴えわたり合唱(武蔵野音楽大学)も見事だった。 このコンサートは日本のマーラー交響曲演奏史上に残る名演だったと云っても過言ではないだろう。 尚、この定期公演の前日(5月8日)にも「読売日響特別演奏会」として同一メンバーで演奏されている(写真4 ロリン・マゼール&読売日響特別演奏会チラシ)。 また最近知ったことだがこの定期公演のライヴ録音が30年余りが経過した今年(2019年)4月に初CD化されたとのことである。