ヴァツラーフ・ノイマン、N響・東京フィル客演の想い出
〜1978年12月7日 N響第767回定期公演、NHKホール〜
〜1978年12月14日 N響第768回定期公演、NHKホール〜
〜1978年12月16日 千葉県民芸術劇場/N響演奏会、千葉県文化会館〜
〜1984年12月23日 N響第9演奏会、NHKホール〜
〜1988年11月20日 東京フィル第301回定期公演、東京文化会館
チェコの名匠ヴァーツラフ・ノイマン(1920~1995)は1969年「チェコ・フィル」との初来日以来(漫遊記72)同楽団を率い度々来日したがその間にも単身来日し日本のオーケストラにも客演し多くのファンを魅了した。 その中で筆者が特に印象深かったコンサートを振り返ってみたい。 彼が初めて日本のオーケストラに登場したのはこの1978年12月の「N響定期公演」であった。 彼はこの時(A)(B)(C)チクルス全ての指揮台に立ち得意とするチェコ出身の作曲家作品を中心としたプログラムで会場を沸かせた。 (A)チクルスではこの年没後50年にあたるヤナーチェクの作品、「タラス・ブーリバ」と「シンフォニエッタ」をと取り上げている。 さらに(B)チクルスでは今やファンの間で「語り種」にもなっているスメタナの連作交響詩「わが祖国」全曲が演奏された。 また(C)チクルスではヴァイオリンの塩川悠子を迎えてのベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲」、名曲中の名曲ドヴォルザークの交響曲「新世界から」も演奏されている。 筆者は(A)チクルス初日(12月7日)、(B)チクルス2日目(12月14日)の演奏を会場のNHKホールに足を運んで聴いた。 特に(A)チクルスではピット席でノイマンの指揮ぶりを堪能した(写真1 「フィルハーモニー1978年12月表紙」/写真2 第767回定期(A)チクルス・プログラム/写真3 第768回(B)チクルス・プログラム/写真4 第766回(C)チクルス・プログラム)。 筆者は(C)チクルス公演を「NHKホール」では聴いていないが幸い「千葉県民芸術劇場/N響演奏会」で同一プログラムが演奏され12月16日の千葉公演を聴いている(写真5 1978年12月N響定期ほか各公演チケット)。
それから6年後の1984年12月、ノイマンは再びN響のステージに登場、「N響第9公演」を振った(写真6 1984年12月ノイマン&N響第9公演プログラム表紙)。 筆者は公演2日目23日の公演に足を運ぶ(写真7 ノイマン&N響第9公演12/23チケット)。 彼はドイツ古典派・ロマン派の作品にも定評がありN響との「第9」にも期待が持てた。 やはり期待通り彼の端正で堂々とした指揮ぶりが今も印象に残る。
仕舞いは1988年11月、「東京フィルハーモニー交響楽団」第301回定期公演の客演である。 これは「東京フィル創立50周年記念シリーズ」の定期演奏会で11月20日日曜日にマチネーで東京文化会館にて開催された(写真8 1988年11月東京フィル第301回定期公演プログラム表紙)。 ノイマンの「東京フィル」との初共演でもあった。 プログラムはお国もののドヴォルザークの作品が2曲とブラームスの「交響曲第4番」という構成だった(写真9 東京フィル第301回定期演奏曲目)。 ここではブラームス「第4番」の渋い演奏が特に印象的だった。 ちなみにノイマンのブラームス交響曲録音について筆者は「フィルハーモニア管弦楽団」との「第2番」(英コリンズ盤)ぐらいしか思い浮かばないのだがとにかく生で彼の「第4番」を聴けたことは大変貴重だったと思っている(写真10 1988年11月第301回東京フィル定期公演チケット)。