ヴィトルド・ロヴィツキ&ワルシャワ国立フィル/英国公演ライブ盤、1967

今回は1970年代に読売日響への客演やワルシャワ国立フィルとの来日公演で馴染みも深かったポーランドの名匠ヴィトルド・ロヴィツキ(1914~1989)のイギリスで行ったコンサート・ライブを収録したちょっと珍しいCDから紹介したい。 ロヴィツキは当時音楽監督を務めていたワルシャワ国立フィルと1967年4月、イギリスへのコンサート・ツアーを行った。 この時のコンサート・ライブ、ハダーズフィールド公演(1967年4月3日)とロンドン公演(1967年4月7日)を収録した2枚のCDが公演日とは順序が逆になるがロンドン公演が2011年、ハダーズフィールド公演が2016年に復活した。 またこのCDレーベルを立ち上げた人物が当時の公演収録を担当したイギリスの録音エンジニアであるジェフリー・テリー(Geoffrey Terry)だった。 レーベル名は「Orchestral Concert CDs」である。 公演順に写真1は4月3日のハダーズフィールド公演を収めたCDジャケットで当日のプログラム、プロコフィエフ交響曲第1番”古典交響曲”、ソリストのピアノにポーランド音楽界功労者のひとりでもあるヤン・エキエルをむかえシマノフスキ協奏交響曲 (交響曲第4番)そしてブラームス交響曲第4番の白熱の演奏が聴ける1枚である (写真2  ハダーズフィールド公演プログラム表紙、CD解説掲載写真から/写真3  CD演奏・録音データ)。 因みにハダーズフィールドはロンドンからおよそ300km、西ヨークシャーに位置する地方都市、コンサートはこの地のタウン・ホールで開催されジャケットの絵画もこの「タウン・ホール」をイメージしている。  写真4はこの公演の4日後ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで開催されたコンサートを収めたCDジャケットである。 この公演ではソリストにポーランドの名女流ヴァイオリニストであるワンダ・ヴィルコミルスカをむかえブリテン「ヴァイオリン協奏曲」、チャイコフスキー「交響曲第4番」、そしてアンコール曲には日本では滅多に耳にすることがないポーランド国民主義音楽の祖とも呼ばれる「モニューシコ」の歌劇「幽霊屋敷」から「マズルカ」が演奏されている。 ロンドン公演ではロヴィツキが超快速テンポで振るチャイコフスキー「第4番」に圧倒される(写真5  CD演奏・録音データ)。

写真1    W. ロヴィツキ&ワルシャワ国立フィル1967年4月英国コンサート・ライヴCDジャケット (ハダーズフィールド)

写真2    ハダーズフィルード公演プログラム表紙(CD解説掲載写真から)

写真3    CD演奏・録音データ(ハダーズフィールド公演)

写真4    同、ロンドン公演ライブCDジャケット

写真5    同CD演奏・録音データ