ヴェロニカ・ドゥダロヴァの芸術、ロシア・ヴェネツィア盤
今回はロシアを代表する20世紀の名女性指揮者ヴェロニカ・ドゥダロヴァ(Veronica Dudarova/1916~2009)の名録音を集めた3CDセットを紹介したい。 このセット盤は彼女が92歳で亡くなった2009年にロシアのヴェネツィア(VENEZIA)レーベルからリリースされた(写真1 ヴェロニカ・ドゥダロヴァの芸術、3CDセット・ジャケット、露VENEZIA-CDVE 00011)。 内容は彼女が得意とするハチャトゥリヤン、カリンニコフ、ミャスコフスキーの名演集でハチャトゥリヤンは彼女が首席指揮者も務めたモスクワ国立交響楽団との1987年・1994年録音、カリンニコフとミヤスコフスキーは彼女自身が1991年に自ら立ち上げたロシア交響楽団(ドゥダロヴァ交響楽団)との1992年録音となっている(写真2 CD演奏・録音データ)。 とりわけ日本ではまだコンサートで演奏される機会が少ないハチャトゥリアンの劇付随音楽ヴァレンシアの寡婦 (CDには抜粋された6曲の組曲版を収録)とミャスコフスキ―の交響曲第6番変ホ短調は彼の27曲に及ぶ交響曲作品の中でも演奏時間が約70分にも及ぶ大曲でフィナーレ第4楽章には合唱も加わわりロシア正教「葬送の聖歌」が歌われ興味深かった。 近年ではミャスコフスキーの再評価も高まりつつあるようだ。