伝説のライブ盤、サー・コリン・デイヴィス&BBC響「エルガー交響曲第1番」、1985

今回は今や伝説のライブ盤となったサー・コリン・デイヴィス&BBC交響楽団によるエルガー「交響曲第1番変イ長調 作品55」にスポットをあててみたい。 この演奏は1985年5月13日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催されたエチオピアとスーダンの飢饉救援のためのチャリティー・コンサートのライブ録音である。 演奏者全員が出演料を辞退しこのコンサートならびにレコード録音による純益も当時全て基金に寄付された。 コンサートではこのほかサー・ゲオルグ・ショルティがベートーヴェン交響曲第5番ハ短調を振るという豪華プログラムで当夜はおよそ6600席ある会場は満席だったと伝えられている (写真1 LPジャケット、国内盤RCA-RCL-8427 1986年リリース/写真2 LPレーベル面) 。 当時デイヴィスは57歳、ロンドンのコヴェント・ガーデン王立歌劇場とミュンヘンのバイエルン放送交響楽団音楽監督を兼務していた時代である。 また彼にとってエルガーの交響曲録音はこのライブ盤が初録音となったが「BBC響」の実に豊かなサウンドとデイヴィスの優れた感性がこの長大な作品に聴衆を飽きさせることなく惹きつけた名演である。

写真1    サー・コリン・デイヴィス&BBC響「エルガー交響曲第1番」1985年5月ライブ盤LPジャケット-国内盤RCA-RCL-8427 1986年リリース

写真2 LPレーベル面