作曲家としてのオットー・クレンペラー

巨匠オットー・クレンペラー(Otto Klemperer/1885~1973)は作曲家としても活動したがコンサートでは演奏される機会は少なく現在ではその数多くの作品が忘れ去られている。 今回の紹介盤は英EMIに自作自演で録音した交響曲第2番 (1967-1969)並びにほぼ同時期に作曲された弦楽四重奏曲第7番 (演奏:フィルハーモニア弦楽四重奏団)が収められた2CDセットである。 ちなみにこのCDのメインは彼が最も得意としたニュー・フィルハーモニア管弦楽団との1968年録音マーラーの交響曲第7番”夜の歌”である (写真1  CDジャケット、英EMI CMS 7 641147 2、1992年リリース/写真2 演奏・録音データ)。 クレンペラーは生涯に交響曲を6曲、弦楽四重奏曲は9曲書いたようだがこのEMI録音が貴重音源として知られ彼の作曲家としての技量を知ることができる。 余談になるが彼のバイエルン放送交響楽団との1969年ライブ盤「メンデルスゾーン交響曲第3番”スコットランド”」のフィナーレ「イ長調」で終わるコーダを「イ短調」に改作して演奏しているところも彼らしく興味深かった (写真3 クレンペラー&バイエルン放送響ライブ盤「スコットランドほか、CDジャケット、英EMI- 5 66868 2 -1998年初出盤)。

写真1    クレンペラー自作自演「交響曲第2番」フィルハーモニア弦楽四重奏団による「弦楽四重奏曲第7番」収録2CDジャケット(英EMI-CMS 7 64147 2)

写真2    同CD演奏・録音データ

写真3    クレンペラー&バイエルン放送響/メンデルスゾーン交響曲第3番「スコットランド」ほかライブ盤CDジャケット(英EMI-5 66868 2)