再びポートランドへ、2013
〜オレゴン響2013/14シーズン開幕コンサートを聴く〜
翌2013年9月、筆者は再び「オレゴン交響楽団」を聴きにポートランドへ向かった。 ちょうど「2013/14シーズン」の開幕時期にあたりタイミングも良かった(写真1 「オレゴン響2013/14シーズン、リーフレット」)。 音楽監督カルロス・カルマーがシーズン開幕定期公演で取り上げた作品は武満 徹の「From me flows what you call Time」(1990)とリムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」だった(写真2 リーフレット、赤枠)。 コンサートは2013年9月21日・23日の2夜開催されたが筆者は初日21日公演を本拠地「アーリン・シュニッツァー・コンサート・ホール」(写真3 筆者撮影)で聴いた。 写真4は2013年9月21日コンサート・チケット」)。 現代音楽も得意とするカルマーが武満の作品をどのように取り組むのか興味深かった(写真5 カルロス・カルマー/オレゴン響CDから)。 今回演奏されるこの作品は武満が5人の打楽器奏者と管弦楽による協奏的作品で「カーネギー・ホール創立100周年記念」委嘱作品である。 演奏時間は約30分、初演は小澤征爾指揮でカナダの打楽器グループ「ネクサス」とボストン交響楽団により「カーネギー・ホール」で行われている(1990年)。 今回この公演でも武満がイメージしたチベットの「風の馬」と呼ばれる5色の旗の色/「赤」「青」「黄」「緑」「白」のリボンが会場に張られとても印象的だった。 後半はガラリと雰囲気が変わりリムスキー=コルサコフの色彩豊かなサウンドが響き渡りアラビアン・ナイト絵巻物の世界を味わうことができた。
音楽監督を務めるカルマーはオレゴン響と得意のイギリス作品を集めたアルバムをオランダ・レーベル「PentaTone」よりリリースしている。 いずれもこのホールでのライヴ演奏から編集されたものだが演奏・録音とも優秀で筆者も愛聴している。 写真6のCDはファースト・アルバム「戦争時代の音楽」-アイヴズ「答えのない問い」・ブリテン「シンフォニア・ダ・レクイエム」・ヴォーン=ウィリアムズ「交響曲第4番」ほか(2011年録音)である。 写真7はアルバム第2弾/エルガー序曲「ロンドンの下町」・ヴォーン=ウィリアムズ「交響曲第5番」・ブリテン歌劇「ピーター・グライムズ」~"4つの海の間奏曲"(2012年録音)が収められている。 また観光では前回行けなかった「マウント・フット」に足を伸ばしてみた。 当日は快晴で景色も最高だった(写真8・9 マウント・フット 筆者撮影)。