古きよき時代のロンドン
今日はエルガーの「ロンドンの下町(In London Town)」序曲のレコードを聴きながら古きよき時代のロンドンを思い浮かべた。 この作品はもう今から1世紀余りも前のロンドンの街を描写した音楽だが筆者が初めてロンドンの地を踏んだのは学生時代の1973年3月のことだった。 それでも半世紀近く前の事になる。 目的は名匠ルドルフ・ケンペが指揮するロイヤル・フィルのコンサートを聴くことだった(漫遊記2)。 当時はまだインターネットもなく情報収集が大変だったが何とかチケットも入手でき運よく彼の生の指揮に接することができた (写真1 コンサート・チケット)。 当時、航空機はようやくジャンボ・ジェット(B-747)も日本にも就航し始めた時代だったがまだダグラスDC-8やボーイング707もまだ現役で活躍していた(写真2 ボーイング707、ルフトハンザ機内配布ポスト・カード)。 また搭乗券も味のあるスタンプ、手書きのアナログ時代である (写真3 ルフトハンザLH 657/東京-フランクフルト搭乗券、1973年)。 この時代、ロンドン名物2階建てバスはまだボンネット・タイプも街中を走っていた (写真4 筆者撮影、1973年3月) 。 オーケストラ・コンサートガイドには指揮者、ソリスト陣も名匠たちの名前がズラリと並び当時20代の筆者も羨ましい限りだった。 さらにチェロのジャクリーヌ・デュ・プレが夫君ダニエル・バレンボイム指揮するイギリス室内管弦楽団に客演、エルガー、ハイドンのチェロ協奏曲を演奏するなど現役ラスト・ステージを飾った年だったことも忘れることができない。