名匠ジャン・マルティノン、シカゴ響時代の名盤

〜 ニールセン 交響曲第4番「不滅」 〜

フランスの名匠ジャン・マルティノン(Jean Martinon/1910~1976)の指揮ぶりを筆者が初めて生で接したのは1970年11月最後の来日となった「日本フィル」への客演であった。 ちなみに当時、日比谷公会堂で聴いたブラームス「交響曲第1番」はその後CD化もされた (写真1 1990年リリース、プラッツ盤CDジャケット、P23G-537)。 そして1976年3月には何かの縁でフランス国立管弦楽団による彼の追悼コンサートをパリで聴けたことも忘れられない(漫遊記3)。 今回紹介するLPは彼がシカゴ交響楽団音楽監督時代1966年録音の名盤「ニールセン交響曲第4番”不滅”」である (写真2 国内盤LP初出ジャケット、日本ビクターSX-2007、1967年初出盤/写真3 LPレーベル面)。 「第4番」はニールセン51歳の1916年に完成したユニークな全体4部構成を切れ目なく演奏される単一楽章形式の交響曲で「第4部」では二群のティンパニーが激しく猛打されマルティノンの劇的なフィナーレが印象的である。 またLP第二面の余白にはニールセンがギリシャの旅でエーゲ海に昇る太陽に感動をおぼえ1903年作曲の序曲「ヘリオス」(ヘリオスはギリシャ神話の太陽神)がフィルアップされている。 レコードジャケット、レーベル面に表記された米RCAレコードが開発したクリアーなステレオ・サウンド「ダイナグルーヴ(DYNAGROOVE)」のロゴも時代を感じさせ懐かしい。

写真1    マルティノン&日本フィル「ブラームス交響曲第1番」1970年ライブ盤CDジャケット(プラッツP23G-537)

写真2    ジャン・マルティノン&シカゴ響-ニールセン交響曲「不滅」・序曲「ヘリオス」国内盤初出LPジャケット(ビクターSX-2007 1967年リリース)

写真3    LPレーベル面