名匠フリッツ・ライナー&シカゴ響による「未完成」・「新世界から」
ハンガリー出身の名匠フリッツ・ライナー(Fritz Reiner/1888~1963、写真1)も筆者が中学時代からレコードで馴れ親しんだ指揮者のひとりだった。 彼は1953年から亡くなるおよそ10年間アメリカの名門シカゴ交響楽団音楽監督を務めこの楽団の第1期黄金時代を築き上げた。 このコンビでのレコード録音も米RCAに多数残されている。 今回の紹介盤はレコードがモノラルからステレオへ移行した時期のライナーの名盤として知られるシューベルト:交響曲第8(7)番 ”未完成”(1960年録音)とドヴォルザーク:交響曲第9番 ”新世界から”(1957年録音)の二大名曲がカップリングされた1枚である。 ちなみにこのLPは筆者が高校時代の1965年にリリースされた。 ライナーは古典派から現代音楽までレパートリーも広い指揮者だったがこの二大名曲の演奏もまた彼の鋭い感性がうかがえる。 レコードレーベル面の「新世界から」がまだ「第5番」になっているところも時代を感じさせる。 さらに当時の「LIVING STEREO」の表記もまた懐かしい(写真2 LPジャケット、日本ビクターSRA 2058 / 写真3 LPレーベル面)。