回想、ストコフスキー :1/2
「音の魔術師」とも呼ばれたレオポルド・ストコフスキー(Leopold Stokowski /1882~1977)が初来日し日本フィルと読売日響の指揮台に立ったのは筆者がまだ高校時代の1965年(昭和40年)7月のことだった。 ちなみに当時の諸般の事情もあり読売日響客演(7月10日第20回定期公演、東京文化会館)の際にはプログラム前半、ブラームス:悲劇的序曲、メンデルスゾーン:交響曲第4番“イタリア“は当時25歳の若き飯森 泰次」が振り、後半のベートーヴェン交響曲第7番をストコフスキーが振るという変則的な公演だったのを覚えている(このストコフスキーの貴重ライブ音源は2018年にアルトゥス(Altus)レーベルよりCD化されている)。 さてストコフスキーはベートーヴェンの交響曲全集録音は遺してないが「第7番」に限って云えば東京ライブも含めると公式録音を4回行っている。 今回の紹介盤は最後のセッションとなったニュー・フィルハーモニア管弦楽楽団との1973年1月録音である。 このLPは追悼盤として1977年初回プレス限定廉価盤としてリリースされた。 ストコフスキーの個性的な「第7番」が楽しめる1枚だ(写真1 LPジャケット、国内盤キング/ロンドンGT 9156 /写真2 LP演奏・録音データ)。 また「第二面」にフィルアップされた「エグモント」序曲は意外にもストコフスキー唯一の録音となった。 英デッカが開発したマルチチャンネル・ステレオ録音「フェーズ4ステレオ」のロゴも懐かしい(写真3 LPレーベル面)。