小山清茂 管弦楽作品集
小山清茂の音楽を聴くと郷愁にかられる。 彼の作品題材とする民謡や祭囃子のリズムは懐旧の情を呼ぶ。 今回の紹介LPは芥川也寸志&新交響楽団のコンビでかつて10年に渡り開催された「日本の交響作品展」コンサートから1985年4月7日東京文化会館大ホールでのライブ収録を収めた「小山清茂管弦楽選集」である。 アルバム第一面に1946年音楽コンクールで第1位に輝いた「管弦楽のための信濃囃子」をはじめ「新交響楽団」委嘱作品「管弦楽のための”うぶすな”」(1985-この演奏が初演)、ちなみに「うぶすな」とは漢字で「産土」と書き「生まれた土地」つまり「ふるさと」を意味するそうである。 また第二面には「弦楽のためのアイヌの歌」(1964)、あらかじめ管弦楽による鳥や蝉の鳴き声のテープ録音も伴う「管弦楽のための鄙歌(第1番)」(1976)が収められている。 紹介盤は日本人作曲家による現代音楽作品に定評があるフォンテック(FONTEC)レーベルから1985年にリリースされた (写真 LPジャケット、フォンテックFONC-5062)。