幻となったチェリビダッケのコンサート・チラシ、1994
〜1994年10月・セルジュ・チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル来日公演〜
毎回クラシックのコンサートに足を運ぶと会場の入り口でビニール袋に詰められた数多くの「コンサート・チラシ」が手渡しされる。 現在ではインターネット等でコンサート情報は素早くキャッチすることも可能だがこうしたアナログ的な方法で配布されたチラシをチェックすることがクラシック音楽ファンには楽しみの一つになる。 また実際にコンサートに足を運んだチラシなどは保存しておくと後々の資料にもなる。 しかしながら時には代演も効かずやむなくコンサートが中止となり「幻のチラシ」となったこともあった。 筆者の頭に現在も浮かぶ幻の公演チラシとなった外来オーケストラ・コンサートのひとつに1994年10月来日予定だった「セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団」もその一つである(写真1 幻の公演チラシとなった「セルジュ・チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル1994年10月来日公演チラシ」。 この公演ではチェリビダッケ得意のブルックナーの交響曲、しかも「第7番」・「第8番」が聴けることでチケット発売当日になんとかS席を確保し公演日を鶴首して待った。 しかし残念ながらチェリビダッケの体調不良のため公演中止となりチケットは払い戻しとなった。 このチラシの裏面には1994年-95年シーズンの「チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル」のコンサート・スケジュール表(写真2 チラシ裏面)も記載されていた。この表からこの来日公演は「アジア・ツアー」の一環として組まれていたこともわかる。 またコンサート開始時刻についても欧米では通常のことだが日本では珍しい午後8時に設定されていた。 その後の来日を期待した筆者だったが来日公演は叶わずチェリビダッケは1996年に84歳で亡くなった。 筆者にとっては1977年10月「読売日響」に客演した際にプログラムに入れてもらった貴重なサインも大切に保存している(写真3 1977年10月(初来日)「読売日響第135回定期公演プログラム」に入れてもらったチエリビダッケのサイン)。