懐かしき4チャンネル・ステレオLPレコード

今回は今や懐かしき「4チャンネル・ステレオLPレコード」にスポットをあててみたい。「4チャンネル・ステレオLPレコード」の出現は今からおよそ半世紀前に遡る筆者がまだ学生時代の頃であった。 レコード会社によりその規格は大きく二つに分かれいわゆる「マトリックス方式」(一般的に2チャンネル・ソースを再生時に位相変調して4チャンネル的音場感を作り出す方式)と「ディスクリート方式」と呼ばれるオリジナル4チャンネル信号による方式が存在していた。 具体的には「ビクター」の「CD-4レコード」は後者の「ディスクリート4チャンネル」として注目され専用カートリッジと専用再生機を通せば再生帯域も広い4チャンネルによるステレオ再生が楽しめた。 云うまでもなく両者は通常の装置でも問題なく2チャンネル・ステレオ再生を楽しむことも可能だった。 筆者個人的には主にSL(蒸気機関車)などの「ドキュメンタリー録音」は「CD-4レコード」で楽しむことも多かった (写真1  CD-4ステレオ「北国を行く蒸気機関車」LPジャケット 日本ビクタ― CD4K-7038 1976年リリース/写真2  同、LPレーベル面)。  一方「EMI系」や「CBS系」では「SQシステム」によるマトリックス4チャンネル方式によるレコードがリリースされていた。 紹介する写真のLPは1975年リリース「独EMI」の「モーシェ・アツモン&ニュー・フィルハーモニア管弦楽団」による「メンデルスゾーン序曲集」である。 ジャケット左下に4チャンネル方式を表す「クオドラフォニックSQシステム」のロゴがある (写真3  メンデルスゾーン序曲集LPジャケット-1C 063-02 638Q / 写真4  「QUADRAPHONIC SQ SYSTEMロゴ」/写真5  LPレーベル面) 。 しかしながらこれらの「4チャンネルLP盤」も1970年代半ば過ぎごろから徐々に市場から姿を消していった。

写真1    「北国を行く蒸気機関車」LPジャケット(日本ビクターCD4K-7038)

写真2    LPレーベル面

写真3    M.アツモン「メンデルスゾーン序曲集」LPジャケット(独EMI-1C 063-02 638Q)

写真4    「QUADRAPHONIC SQ SYSTEM」ロゴ

写真5    LPレーベル面