日本ポップス・レコード史/アメリカン・ポップス・カバー時代(2)
前回に引き続き1960年代「坂本 九」のカバー・シングルから次の2枚紹介したい。
その1枚目は1962年(昭和37年)2月発売の「戦場に陽は落ちて」と「花咲く街角」がカップリングされたものである(写真1 東芝JP-5102ジャケット)。 前者の原題は「He’s not just a Soldier」、アメリカのロックンロール草分け的存在「リトル・リチャード(Little Richard)」のカバーである。 「反戦歌」と云える曲で九ちゃんも感情を込めて歌っていたのが印象的だった(写真2 同・レーベル面 /写真3 原曲「He’s not just a Solider」リトル・リチャード国内盤ジャケット、フィリップスM-1006 / 写真4 リトル・リチャード盤レーベル面)。 B面に収録された「花咲く街角」原題「Hats Off To Larry」はシンガーソングライター「デル・シャノン(Del Shannon)」がデビュー曲「悲しき街角(Runaway)」(1961年2月)に続きその続編としてまた大ヒットした作品である。 九ちゃんのカバーはB面だが当時こちらもヒットした(写真5 坂本 九「花咲く街角」、レーベル面 / 写真6 デル・シャノン「Hats Off To Larry」国内盤ジャケット、 ATLANTIC – JET-1028 / 写真7 同、レーベル面)。
続いて2枚目、こちらは同年9月に発売された「レッツ・ゴー物語(A Change Of Heart)」と「カマ・カマ・ベイビ―(COME-A COME-A BABY)」のカップリングである(写真8 坂本 九盤シングル・ジャケット、九ちゃんのサインは「つくば科学万博’85」催事出演の際に入れて頂いた)。前者は1961年イギリス制作の映画作品の主題歌でオリジナルはイギリスの「クレイグ・ダグラス(Craig Douglas)」が歌った(写真9 クレイグ・ダグラス国内盤シングル・ジャケット(東芝Angel-HM - 1153) / 写真10 ダグラス盤ジャケット裏面、当時の懐かしいアンサンブル型ステレオの広告 / 写真11 ダグラス盤レーベル面)。 九ちゃんは軽快なリズムに乗り楽しく歌っていたことを思い起す。 またB面の「カマ・カマ・ベイビー」のオリジナルはナイジェリア出身の現在も活躍するドラマー、歌手「トニー・アレン(Tony Allen)が歌っていた。
(つづく)