日本ポップス・レコード史/アメリカン・ポップス・カバー時代(7)

1960年代初頭、ラジオから流れてきたアメリカン・ポップ「恋の売りこみ」、原題を「I’m Gonna Knock On  Your Door」という軽快でノリもいい曲に筆者も吸い込まれた。 さらに当時驚いたことに筆者とほぼ同世代のエディ・ホッジス(Eddie Hodges)という14歳の少年の歌ということだった。 同時にアメリカでは14歳にしてオマセな恋の歌を唄うのだなと思ったほどだ。 オリジナル盤はこの当時アメリカに存在したロック、ポップス、ジャズの専門レーベル「ケイデンス・レコード(CADENCE RECORDS)」からリリース、日本では「キング・レコード」から1962年にリリースされている(写真1 「恋の売り込み」エディ・ホッジス 国内盤シングル・ジャケット -キング FS-5 / 写真2  同盤レーベル面)。
日本のカバー盤は「伊東ゆかり」盤が一般的に知られている。 彼女はこのほかに当時ホッジスが歌った「コーヒー・デイト」もカバーしている。 1973年に「キング」から発売された     「不滅のポップス」LPアルバムから「伊東ゆかり」が歌ったカバー曲12曲を集めたこの1000円の廉価盤は当時ポピュラー・レコードとしては珍しかったと思う(写真3  「不滅のポップス・伊東ゆかり-1」KR 7124) / 写真4  同盤・レーベル面)。
この天才少年とも云われたホッジスも今年72歳を迎えた。 ’60年代末に芸能界を引退した彼は大学で「心理学」を学びその後「心理カウンセラー」に転身したと伝えられている。
(つづく)

写真1    「恋の売りこみ」エディ・ホッジス シングル・ジャケット(CADENCE RECORDS-国内盤キング-FS-5) 1962年発売

写真2    写真1のレーベル面

写真3    「不滅のポップス 伊東ゆかり - 1」LPジャケット(1973年発売)

写真4    「不滅のポップス 伊東ゆかり-1」LPレーベル面