日本ポップス・レコード史/アメリカン・ポップス・カバー時代(9)
今回の’60年代「カバー盤」は「シャンソン」のカバーを取り上げたいと思う。
日本のファンも大変多く1955年初来日から’99年まで数多くの来日公演もこなした新日家の「イベット・ジロー(Yvette Giraud)」が1960年に歌った「パパはママが好き(PAPA AIME MAMAN)」のカバーである。 カバーしたのはこの年「月影のナポリ」でデビューした当時人気沸騰中のポップ・シンガー「森山加代子」だった。 このカバー・バージョン、筆者の記憶ではなぜかシングル・カットはされず同年末に「森山加代子ヒット・パレード」と題する25cm(10インチ)盤LPアルバムの収録曲として発売された(写真1 「森山加代子ヒット・パレード」25cm盤LPジャケット、JPO-1073モノラル)。 この作品、微笑ましい夫婦の姿を子供の側から歌った曲で「チャチャチャ」のリズムにも好感が持てる。 「ジロー」のフランス語によるオリジナル盤は当時8歳になる愛娘との掛け合いで歌われている。 また彼女は後に「日本語」でも録音しておりこちらのシングル盤も人気があった。 新日家らしく彼女の和服姿のジャケットが魅力的だった。(写真2 イヴェット・ジロー「パパはママが好き」日本語盤シングル・ジャケット 、FL-1010 モノラル / 写真3 同・レーベル面)。 また写真4は1975年にリリースされたアルバム、ジローと愛娘との掛け合いで歌われた「パパはママが好き」が収録されたLPジャケットである(日本フォノグラムBT-8028(M)モノラル盤)。 写真5は1993年1月に発売された「加代ちゃんのヒット・キット・パレード」と題する森山加代子、「東芝レコード」時代のカバー・ヒットを中心に40曲を収録した2枚組CDジャケットである。 こちらにも先のカバー録音が収められている。( 2枚組CD、東芝EMI-TOCT-6903-04 モノラル録音)。
(つづく)