珍しい「オットー・ニコライ作品集」
今回は珍しい1枚、「オットー・ニコライ」の作品を集めたアルバムを紹介したい。
オットー・ニコライ(Otto Nicolai /1810~1849)と云えば「ウィーン・フィル」の前身「フルハーモニー・アカデミー」を立ち上げたことで知られている。 しかし彼の作品は代表作、オペラ「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲ぐらいしか一般には知られていない。 写真のCDアルバムは1989年にイギリスの「ヴァージン・クラシックス (Virgin Classics)」レーベルより傑作「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲のほかにめったに演奏されることがない4作品、歌劇「聖堂騎士団員」序曲・歌劇「追放者の帰郷」序曲・合唱つきの「クリスマス」序曲、「交響曲ニ長調」を収録された1枚である(写真1 「オットー・ニコライ作品集」CDジャケット・英Virgin-VC 91079-2)/ 写真2 CD収録作品)。 演奏はカール=アントン・リッケンバッヒャー(Karl Anton Rickenbacher /1940~2014)が指揮するバンベルク交響楽団である(写真3 K .A.リッケンバッヒャー、CDジャケット裏面写真)。 ちなみに歌劇「聖堂騎士団員」は有名な「十字軍騎士」の物語「アイヴァンホー」を題材にしたオペラで1840年のイタリア初演は大成功だったらしい。 「交響曲ニ長調」はニコライが二曲遺した交響曲作品の「第2番」にあたる。 1835年当時ローマに滞在中のニコライが「ウィーン楽友協会」の懸賞作品応募のために作曲したそうである。 CD解説によればこの時の優勝者はすでにウィーンで名声を得ていた「フランツ・ラハナー」、このニコライの交響曲は第3位入賞だったようである。