珍盤、アントン・ルビンシュタイン「交響曲第2番 ”大洋”」
今回の紹介盤は長いことレコード棚に眠っていた珍盤である。 このLPもおよそ半世紀前筆者がまだ学生時代にワーナー・パイオニア/レーベルからリリースされた19世紀後半に弟「ニコライ」と共にロシア音楽活動を推進したアントン・ルビンシュタインの大作交響曲作品「大洋」の副題が付された「第2番」である (米VOX音源)。 おそらくこのレコードが当時日本初出盤と思われる。 彼は指揮者としても活躍したが作品は多種多彩な分野に渡たっている。 今回スポットをあてる交響曲作品は全6曲を残しているがこの「第2番」は彼が22歳の時に4楽章構成で作曲された。 しかしその後たびたび改訂を重ね51歳の1880年に全7楽章構成として完成されたそうである。 そしてピアニストのルイス・ケーラーと楽章配置変更並びにカットも検討されこのレコード演奏のように5楽章構成に落ち着いたようである。 大変抒情性豊かでロマンティックで聴きやすい作品だが日本ではまず演奏される機会がない貴重録音と思われる。 演奏は米国出身、ニューヨークのフィルハーモニア・ヴィルトゥオージ音楽監督も務めたリチャード・カップ、オーケストラは前回の紹介盤オペレッタ「ウィーン気質」(漫遊記1032)が録音されたレックリングハウゼンを本拠とするヴェストファーレン交響楽団である(写真1 LPジャケット、ワーナー・パイオニア-H-5051V
/写真2 LPレーベル面)。