知られざる名盤 カール・フォン・ガラグリのシベリウス
知る人ぞ知るカール・フォン・ガラグリ(Carl vonGaraguly/1900~1984、写真1)はハンガリーの首都ブダペスト出身の指揮者・ヴァイオリニストでハンガリー語表記ではGaraguly Károly(ガラグイ・カーロイ)となるそうである。 北欧を中心に活躍した人で若き時代にはスウェーデンのエーテボリ交響楽団のコンサート・マスターを務めている。 その後ロイヤル・ストックホルム・フィルの首席指揮者も務め特にシベリウスの演奏には定評を得た。 筆者が初めて彼の名前を知ったのは国内盤初リリースの「ドレスデン・フィル」を振ったシベリウス交響曲第1番に第7番がカップリングされたLPだった (写真2 LPジャケット、国内盤フィリップスSFX-7694 1969年リリース/写真3 LPレーベル面)。 LPには録音年月データの記載はないがオリジナル・ステレオ録音である。 華麗なスタイルではないが内向きで素朴な演奏がシベリウス的で好感が持てた。 原盤は東独ETERNA(エテルナ)録音で当時西側PHILIPSレーベルからもリリースされたことが興味深かった。 1990年代に入ると「ETERNA-BERLIN Classics」からほぼ同時代に録音されたと思われるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団との「交響曲第2番」並びにベルリン放送交響楽団(東独)との「交響詩タピオラ」と共にCD化もされている (写真4 ETERNA-BERLIN Classics CDジャケット「第1番&第7番」、BC 3033-2/写真5 同CDジャケット「第2番」&交響詩「タピオラ」、0030962BC)