私の落語・演芸レコード・コレクションから(2)

〜二代目 三遊亭 円歌・名演集(1958年~1964年モノラル録音)〜

第2回目は「授業中」「浪曲社長」「月給日」「中沢家の人々」など自作の落語で一世を風靡した三代目「三遊亭 圓歌」の師匠にあたる二代目「三遊亭 円歌」名演集盤を紹介したいと思う。因みに三代目は「圓」と表記されたが二代目は「円」と書いた。 この名演集盤(一)・(二)のLPも筆者が学生時代1973年に発売された「1000円」廉価盤である(写真1  二代目円歌名演集(一)(キャニオンF-7034) / 写真2  LPレーベル面 / 写真3  二代目円歌名演集(二)(キャニオン F-7035)/ 写真4  LPレーベル面)。
二代目円歌師も新作・古典の二刀流だったが1964年に亡くなったため筆者は生の高座を聴くことができなかった落語家の一人である。 この名演集(一)には亡くなるひと月前1964年7月の貴重なライヴ録音、昭和初期の新作「呼び出し電話」がレコード第一面の最初に収録されている。そのほか師の十八番と云われた古典落語「紋三郎稲荷」(1963年6月ライヴ録音)、第二面は人情もの「紺田屋」(1958年1月ライヴ録音)が聴ける。 「第二集」第一面の最初は1958年4月上野・鈴本演芸場における「歌奴」(三代目圓歌)の「真打昇進披露口上」の模様も収められ「古今亭 志ん生」並びに師「円歌」の口上挨拶が聴きもの。
続く古典落語「髙野違い」もこの口上と同日の録音、そのほか「寿限無」や「たらちね」などと並ぶポピュラーな古典「てれすこ」(1960年7月ライヴ録音)、第二面は1962年8月ライヴ録音「馬大家」(昭和17年新作・鈴木凸太 作)・「七草」(正月ご祝儀古典・1960年1月ライヴ録音)。
そして最後は戦前の新作(作者不詳)の「トラタク」、下敷きは古典の「替り目」で円歌のタクシー・シリーズ「ボロタク」・「木炭車」と並ぶ一席。 1960年ライヴ音源で懐かしい昭和の時代がよみがえる。

(つづく)

写真 1    二代目「三遊亭円歌 名演集(一)モノラル・ライブ録音LP(キャニオン F-7034)

写真2    写真1のレーベル面

写真3    二代目「三遊亭円歌 名演集(二)モノラル・ライヴ録音LP (キャニオン F-7035)

写真4    写真3のレーベル面