英国の奇才、ナイジェル・ケネディによるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲

〜テンシュテット指揮北ドイツ放送響との1992年ライブ盤〜

イギリス出身のヴァイオリニスト:ナイジェル・ケネディ(Nigel Kennedy)はクラシック音楽界のみならずポップス、ジャズの世界でもその名が知れ渡る奇才である。 今回の紹介盤、ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調はクラウス・テンシュテットが指揮する北ドイツ放送交響楽団(現、NDRエルプ・フィルハーモニー管弦楽団)との共演で北ドイツ、バルト海に面する港湾都市キール(Kiel)のアルテ・シュロス(Alte Schloß)におけるライブ録音(1992年6月)である(写真1 CDジャケット、英EMI CLASSICS-CDC 7 54574 2/写真2 CD演奏・録音データ)。 演奏はケネディの個性が輝るユニークさが大変興味深い。 CDにはオーケストラのチューニング、ステージ登場の拍手も収められている。 またカンデンツァは「第1楽章」がフリッツ・クライスラー、「第3楽章」はケネディ自身のものを弾いているところも聴きものだ。 フィルアップされた当日のアンコール曲と思われるバッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータから「前奏曲」、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番から「アレグロ・アッサイ」がこれまた素晴らしい。

写真1    ナイジェル・ケネディ(Vn)テンシュテット&北ドイツ放送響/ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」ほかCDジャケット(EMI CLASSICS-CDC 7 54574 2)

写真2    CD演奏・録音データ