超個性的な演奏を集めて (1)

〜シルヴェストリのチャイコフスキー「交響曲第4番」〜

私のLPレコード・コレクションから強烈なインパクトを受けた超個性的な演奏を3回に渡り紹介したい。
先ずその1枚がルーマニア出身(後にイギリスに帰化)の個性的指揮者と云われたコンスタンティン・シルヴェストリ(Constantin Silvestri /1911~1969)がフィルハーモニア管弦楽団と「英EMI」に録音したチャイコフスキー「交響曲第4番」である。 写真のLPジャケットはその国内盤初出盤で「東京芝浦電気レコード」時代、通称「赤盤」と呼ばれた「東芝」が当時開発した「エバークリーン・レコード」である。 発売は1959年頃だったと思う。 当時の価格は2800円と大変高価だった(写真1  シルヴェストリ&フィルハーモニア管-「チャイコフスキー交響曲第4番」国内初出LPジャケット、エンジェルASC-100) / 写真2  レコード・レーベル面)。 録音は1957年2月録音のオリジナル・ステレオ録音である。 この超個性的な演奏は「第1楽章」冒頭のファンファーレから始まる。 シルヴェストリはいきなり「ターンタッカタッタ ターン」の部分を今にもズッコケてしまうような特異の「シルヴェストリ節」を聴かせている。 もちろんこの節回しは冒頭のみならずこのテーマが出てくるたびに繰り返される。 彼は1964年3月・4月の「NHK交響楽団」の第445回・446回定期ほかに客演ここでも一味違う「シルヴェストリ節」を披露した(写真3  1964年第445回響定期出演者(定期公演プログラム)。 このチャイコフスキーの「第4番」は「定期公演」・「臨時公演」では取り上げなかったがNHKラジオ放送用公開録音で「旧NHKホール」(内幸町)で演奏しこの時の録音(モノラル)も「N響85周年記念ライヴ・シリーズ」として2012年に「キング・インターナショナル」からCD化されている(写真3  シルヴェストリ&N響(N響85周年記念ライヴ・シリーズ)2CDジャケット、キング・インターナショナルKKC2049-50)。 冒頭のファンファーレは先の「フィルハーモニア盤」ほどの派手さはないが「シルヴェストリ節」は相変わらずである(写真4  N響第445回定期公演出演者、定期公演プログラム1964年 / 写真5  コンスタンティン・シルヴェストリとミシェル・シュヴァルベ、第445回N響定期公演プログラムから)。

写真 1     シルヴェストリ&フィルハーモニア管-「チャイコフスキー交響曲第4番」国内盤初出ジャケット(東芝エンジェルASC-1002)

写真2     同LPレーベル面

写真 3    N響85周年記念ライヴ・シリーズ「コンスタンティン・シルヴェストリ」2CDジャケット(キング・インターナショナル-KKC2049-50)

写真4    「第445回N響定期出演者」(1964)

写真5    コンスタンティン・シルヴェストリとミシェル・シュヴァルベ(第445回N響定期プログラム)