超個性的な演奏を集めて(2)
~ ウィレム・メンゲルベルクのベ―ト―ヴェン「第9」~
初代ウィレム・ケスに続き弱冠24歳の若さで「アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団」の第二代目首席指揮者に就任した「ウィレム・メンゲルベルク (Wilem Mengelberg /1871~1951)」もユニークな指揮者だった。 彼はバロックから近代音楽まで幅の広いレパートリーを持ちまたレコーディングも数多くコンサート・ライヴも当時の録音としては良好な状態で残されている。 今回紹介する1940年5月2日「アムステルダム・コンセルトヘボウ」における「コンセルトヘボウ管弦楽団」とのベートーヴェン「交響曲第9番」の演奏もその一つでこれがまた超個性的な演奏としても知られている。 速いテンポで進める「第1楽章」からメンゲルベルクの個性的な職人芸を味わうことができとりわけ最も超個性的な解釈は終楽章の終結部、プレスティシモでアッチェランドしてラストに急ブレーキをかけアクセントをつけて終わる。 この実に奇妙な演奏スタイルはほかに例をみないまさに「メンゲルベルク節」である。 写真のLPは1972年発売「クレモナ・シリーズ廉価盤」、この花柄ジャケットは統一されデザインは少々地味に感じた1枚だった。