追想、ルーマニアの名指揮者”エーリッヒ・ベルゲル” (II)
ルーマニアの名指揮者「エーリッヒ・ベルゲル(Erich Bergel /1930-1998)」(写真1 「エーリッヒ・ベルゲル」(第234回読売日響定期プログラムからについては過去に「漫遊記142」で1975年初来日時の「第113回読売日響定期公演」の回想を紹介しているがその後も「読売日響」の定期で聴いた記憶があったので今回今一度過去の定期公演プログラムを引っ張り出してみた。
記憶どおりその11年後1986年11月「第234回定期」に客演、メシアン初期の管弦楽曲作品「キリストの昇天」、ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第2番」(ピアノ:アンネローゼ・シュミット)メイン・プログラム、リムスキー=コルサコフ交響組曲「シェエラザード」といった聴きごたえあるプログラムを取り上げていた(写真2 「第234回読売日響定期公演プログラム表紙」、1986年11月13日東京文化会館/ 写真3 定期演奏曲目)。 プログラムをめくりながら当日のコンサートを追想してみた。 やはり彼の演奏スタイルは派手さはないがじっくりと聴かせるタイプの指揮者だったと思う。 それはプログラムの第一曲メシアン「キリストの昇天」の神秘的な響きにも感じとれた。 客演ピアニストのアンネローゼ・シュミットは「読売日響」との共演は馴染み深いものがあった。 またメイン・プロの「シェエラザード」を振るベルゲルには意外性も感じられたがとても興味深かく感じた。 何しろ彼のレコード・CD録音が少ないため入手困難なのが残念である。 残念ながら筆者は足を運べなかったが彼はこの定期公演のほか11月20日東京厚生年金会館における「読売日響名曲シリーズ」並びに翌21日「神奈川県民ホール」における「読売日響横浜定期」でアンネローゼ・シュミットと共に出演、チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」と「交響曲第5番」も振っている。