“音の庭”-ジョン・ケージの「龍安寺」

米国、ロサンゼルス出身の前衛音楽家、実験音楽家として名高いジョン・ケージ(JohnCage/1912~1992)が現在、世界文化遺産登録の「龍安寺」の「石庭」からインスピレーションを受け作曲した大作「龍安寺」を紹介したい。 この作品は彼独特の偶然性「チャンス・オペレーション」と呼ばれる作曲手法によるもので楽器編成はフルート、オーボエ、トロンボーン、コントラバス、打楽器、に声楽が加わる。 そもそも彼が最初にこの「龍安寺」を訪れたのは1962年のことで「東洋思想」や「禅」への関心は大変高かかったようである。 このCDの演奏時間は60分を超えているが演奏の終わりがよくわからない不思議さにもケージが唱えた「不確定性」のコンセプトがあるという。 レコーディングは1995年6月にベルリンの「芸術アカデミー」で行われている(写真1  ジョン・ケージ「龍安寺」CDジャケット・スイス・Hat Hut Records –hat ART CD 6183  / 写真2  同CDレーベル面)。 因みにこのスイスのレーベル「Hat Hut Recorods」は1974年創設のジャズ、クラシック現代音楽を専門とするレーベルである。 写真3はこの演奏でフルートを担当したエバーハルト・ブルーム(Eberhard Blum)による各パートごとの演奏時間軸(タイムライン)-CDブックレットから)。 写真4は「作曲者ジョン・ケージ -南禅寺(京都)中庭にて」CDジャケット裏面掲載写真である。

写真1    ジョン・ケージ「龍安寺」CDジャケット(スイス・Hat Hut Records-hat Art CD 6183)

写真2    同CDレーベル面

写真3    エバーハルト・ブルーム(フルート奏者)による「龍安寺」各パートのタイムライン(CDブックレトから)

写真4    ジョン・ケージ、南禅寺(京都)中庭にて(CDジャケット裏面掲載写真)