交響楽の宝/メンデルスゾーン・アンソロジー

今回は少々珍しいCDを紹介したいと思う。 メンデルスゾーン生誕200年の記念の年を迎えた2009年、ドイツのQUERSTANDというレーベルからメンデルスゾーンを中心とした全10巻の興味深い作品を集めたCDアルバムが発売された。 これはその中の第6巻に当たる「交響楽の宝(Sinfonische Kostbarkeiten)、メンデルスゾーン・アンソロジー(Mendelssohn Anthologie)」である。 「序曲”リュイ・ブラス」、滅多に聴く機会がない10代前半の作品「2台のピアノと管弦楽のための協奏曲ホ長調」と「変イ長調」そして交響曲の傑作「第3番”スコットランド”」が2CDに収められている。 指揮はドイツを中心に活躍している高橋直史(写真1)、ピアノはアレクサンダー&クリスティアン・マイネル兄弟 (写真2)、管弦楽はエルツゲビルギシェ・フィルハーモニー・アウエ管弦楽団(Erzgebirgische Philharmonie Aue)となっている。 この楽団もこの時初めて耳にしたオーケストラだったがザクセン州のドレスデンから南へ下った街アウエ(Aue)に本拠を構えている。 演奏水準もかなり高くこのアルバムでも堂々とした素晴らしい名演を聴かせている。 また「スコットランド交響曲」では第1楽章の主題提示部の反復も実行するなどズッシリとした演奏が印象的だった (写真3 CDジャケット、独QUERSTAND VKJK 0809 /写真4 CD演奏・録音データ)。

写真1    指揮者 高橋直史(CDブックレットから)

写真2    アレクサンダー&クリスティアン・マイネル兄弟(Pf)、CDブックレットから

写真3   「交響楽の宝-第6巻・メンデルスゾーン・アンソロジー」CDジャケット(独Querstand VKJK 0809)

写真4    CD演奏・録音データ