1966年ベルリン・ドイツ・オペラ来日公演
1966年(昭和41年)を前後して日本のクラシック音楽分野も海外からの一流オーケストラをはじめとする外来演奏家による公演が目立つようになった。 この1966年は春に「カラヤン&ベルリン・フィル」が1957年に次ぎ2度目の来日公演を行い日本中を「カラヤン熱」が襲った。 6月末にはロックの世界から「ザ・ビートルズ」が初来日し「ビートルズ旋風」を巻き起こしたことも記憶に残る。
久しぶりに棚の奥からダンボール箱を引っ張り出したところ中から「ベルリン・ドイツ・オペラ」1966来日公演に関する資料、当時のチラシや新聞記事、公演総合プログラム等々が出てきたので当時を振り返ってみたい(写真1 1966年ベルリン・ドイツ・オペラ来日公演チラシ / 写真2 同チラシ裏面)。 この「ベルリン・ドイツ・オペラ」来日公演は前回1963年「日生劇場」杮落とし公演に次ぐ2度目の来日となり「日生劇場」開場3周年記念公演としてオーケストラ、歌手陣、合唱団まで総勢280名におよぶ一大公演だった。 前回は巨匠カール・ベームが振るモーツアルト「フィガロの結婚」、ベートーヴェン「フィデリオ」などに注目が集まった。 この1966年公演ではオイゲン・ヨッフムのモーツアルト「魔笛」、本邦初演となったロリン・マゼールによるワーグナー「さまよえるオランダ人」などが人気を呼んだ。
また戦後ドイツを代表する前衛作曲家のひとりハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(Hans Werner Henze/1926~2012)の悲劇オペラ「若き恋人たちの悲歌」(1961年)がヘンツェ自身の演出・指揮でこちらも本邦初演されている。
写真3は「1966年ベルリン・ドイツ・オペラ来日公演総合プログラム表紙」、写真4は来日公演・演目スケジュール(総合プログラムから)、は写真5は当時配布された宣伝「しおり」、写真6は当時の新聞記事「ベルリン・ドイツ・オペラ一行」の記者会見。 そして写真7は10月17日のオイゲン・ヨッフム指揮によるモーツアルト「魔笛」初日公演の新聞評である。