20世紀ドイツ正統派ピアニスト、ハンス・リヒター=ハーザー

ドレスデン出身、20世紀ドイツ正統派ピアニストと云われたハンス・リヒター=ハーザー(HANS RICHTER-HAASER/1912~1980、写真1)は日本では少々地味な存在だったためか話題にのぼる機会が少なかった。 彼はベートーヴェン、ブラームスを最も得意とし確か初来日は1963年だったと思う。 その後1969年にはNHK交響楽団と共演、さらにベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会も開催している。 筆者は1972年2月ミュンヘン・フィル初来日公演で実際に聴いたベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」が現在も印象に残っている (漫遊記89)。
今回は彼が遺したブラームス、ベートーヴェンの名録音を改めて取り上げてみたい。 写真2はカラヤン&ベルリン・フィルとの共演盤1958年録音ブラームス「ピアノ協奏曲第1番」(英EMI Classics-1996年リリース)、まさに重厚で渋いブラームスを聴かせた1枚である。 写真3は1990年代初頭、新星堂と東芝EMI共同企画廉価盤、ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」(1963年4月録音)と「第5番”皇帝”」(1960年7月録音)のカップリングである。 管弦楽は共に「フィルハーモニア管弦楽団」指揮は前者がカルロ・マリア・ジュリーニ、後者がイシュトヴァン・ケルテスである。

写真1    ハンス・リヒター・ハーザー(ミュンヘン・フィル初来日公演プログラム1972から)

写真2    カラヤン&ベルリン・フィル/ブラームス「ピアノ協奏曲第2番」CDジャケット(英EMI Classics 7243 5 66093 2 7 )1996年リリース盤

写真3    ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番・第5番」CDジャケット(新星堂・東芝EMI共同企画盤-SAN-43)