3人のベートーヴェン弾きによるベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第32番」

イタリアのエルミタージュ(ERMITAGE)は過去にも何度か取り上げているが1980年代から1990年代にかけてスイス・イタリア語放送局(RSI)の興味深い貴重ライブ音源を中心にしかも廉価盤でリリースしたレーベルだった。 今回はそのライブ音源から往年の3人のベートーヴェン弾きヴィルヘルム・バックハウス、クラウディオ・アラウ、パウル・バドゥラ=スコダによるベートーヴェン最後のピアノ・ソナタ「第32番」のライブ音源を集めた聴き比べ盤にスポットをあててみたい (写真1 CDジャケット、伊ERMITAGE ERM-128) 。 ちなみにバックハウスとアラウが1960年代ルガーノのテアトロ・クアザール(Teatro Kursaal)、バドゥラ=スコダが1987年オーディトリオRSI(Auditorio RSI)におけるライブ録音である。 また3人弾くピアノもバックハウスがベヒシュタイン、アラウがスタインウェイそしてバドゥラ=スコダはベーゼンドルファーとそれぞれ異なる世界の三大ピアノを使用しておりじっくり耳を傾けると響きに微妙な違いが感じとれることも興味深かかった (写真2 CD演奏・録音データ)。

写真1    バックハウス, アラウ、バドゥラ=スコダによるベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第32番」CDジャケット(伊ERMITAGE-ERM 128)

写真2    CD演奏・録音データ