E. ガーディナーの”ブリテン「戦争レクィエム」”ライブ盤
イギリスの名匠サー・ジョン・エリオット・ガーディナー(Sir John Eliot Gardiner)はバロック音楽はもちろん後期ロマン派の作品、さらにブリテンの作品まで幅広いレパートリーを持つ指揮者のひとりである。 今回紹介するブリテン「戦争レクィエム」は彼が北ドイツ放送交響楽団の首席時代1992年8月に開催されたシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭の中心都市リューベック「聖マリエン教会」におけるライブ録音である (写真1 風光明媚なリューベック、2003年7月筆者撮影)。 平和主義者でもあるベンジャミン・ブリテン(Benjamin Britten/1913~1976、写真2)は1962年大作「戦争レクィエム」を発表、作品はイギリス中部の古都コヴェントリーの大聖堂献堂式の委嘱作品として書かれたものである。 3人の独唱者、混声合唱団(児童合唱を含む)に大編成オーケストラにプラスして「室内オーケストラ」も加わる大所帯、演奏時間もおよそ85分前後を要する聴きごたえ充分である。 テクストにはラテン語によるカトリックの典礼文に「第一次大戦」に従軍、戦死したイギリスの詩人「ウィルフレッド・オーエン」の詩が用いられている。 声楽作品を得意とするガーディナーの真骨頂が発揮されたライブ盤である(写真3 ガーディナー、ブリテン”戦争レクィエム”ライブ盤国内盤初出CDジャケット-ポリドールPOCG-1701/01/写真4 CD演奏者・録音データ)。