H.ブロムシュテットのベートーヴェン「第9」ライブ盤
師走もはや半ばを迎え各地でベートーヴェン「第9」コンサートもたけなわである。 そこで今回は「第9」ステレオ・ライブ盤の中でも定評がある1枚、「ヘルベルト・ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデン」のCDを取り上げてみたい。 この録音はドレスデンのゼンパーオパーが戦後40年を経て再建、それを記念して開催された1985年3月30日・31日のコンサートをライブ収録、CD化したものである (写真1 ゼンパーオパー、2003年筆者撮影)。 当初は確か独カプリッチョ(CAPRICCIO)レーベルよりリリースされていたと思うがその後長い間廃盤となり2003年に改めて独デルタ・ミュージックレーベルから復活された(写真2 CDジャケット、delta 14 566 /写真3 演奏データ)。 演奏はブロムシュテットの熱が入ったライブならではの緊張感もうかがえる名演である。 彼はこの楽団の首席指揮者時代にセッションによるベートーヴェン交響曲全集録音を完結しているがこのライブ盤ではソリストが異なる(写真3 演奏データ参照)。 また演奏終了後の一呼吸おいた聴衆の盛大な拍手も収録されている。 尚、現在ではこの「デルタ盤」も廃盤のようで2010年に「独Profil」レーベルから再復活されている。 ただ両盤とも解説に何故かこの「ゼンパーオパー」再建記念コンサート・ライブについては特に触れられていない(写真4 「独Profil」盤PH 11009-CDジャケット/写真同・演奏データ)。