MÁVブダペスト・コンサート管弦楽団を聴く
ブダペストでのコンサート(2)、1987
MÁVブダペスト・コンサート管弦楽団を聴く- 1987年12月、ブダペストにて –
ブダペスト滞在2日目(1987年12月28日)はドナウ河沿いにあるコンサート・ホール、ヴィガド(Vigadó)(写真1)で行われる「MÁVブダペスト・コンサート管弦楽団」(MÁV Szimfónikus Zenekart)の演奏会に行くことにした。このオーケストラは気軽にクラシック音楽を楽しんでもらうためにハンガリー国鉄(略称MÁV)が戦後(1945年)に発足させたオーケストラである。この日の演奏は「ウィーン気質(Wiener Blut)」と題し「ヨハン・シュトラウス・ファミリー」の音楽を中心にワルツやポルカのプログラムが組まれていた。年の瀬にピッタリの演目でもある。指揮はマルク・ゴレンシュタイン(Mark Gorenstein)、ウクライナのオデッサ出身で当時この楽団の首席指揮者を務めていた人である。現在はロシアのノボシビルスクを拠点に活躍しているようだ。
ところで開演は午後8時、幸い会場の「ヴィガド劇場」も滞在ホテルから徒歩圏内ということでたっぷりと時間もある。ということでこの日は市内のレコード店巡りを楽しむことにした。当時の日本はすでにLPレコードに代わりCDが幅を広げはじめていたころだった。しかしヨーロッパではまだまだLPが幅をきかせていた。またブダペストのレコード店は書店も兼ねているところが多く興味深かった。しかもLPが日本の半額以下で買えることも魅力的だった。おかげでフンガロトン盤(ハンガリー盤)の貴重盤も入手できた。そのほかグスタフ・マーラーも音楽監督を務めた「ハンガリー国立歌劇場」、「オペレッタ劇場」、現在は営業を終了しているナイト・クラブ「ムーラン・ルージュ」なども見てまわった(写真2 ハンガリー国立歌劇場/写真3 現在は営業終了のムーラン・ルージュ)。
さてコンサートの話に戻るが会場の「ヴィガド劇場」は19世紀に建てられた格調高いホール。コンサートのほかレコーディング会場としてもよく使用されているので音の響きも印象的だった。今回「シュトラウス・ファミリー」の音楽はこの先ウィーンでも楽しむ予定だったが一足先に満喫できた。このコンサートでは特にプログラム冊子などがなかったため詳細な演奏曲目は忘れてしまったが簡単なチラシが手元に残っている(写真4)。(写真5)はコンサート・チケット 。(写真1・2・3 筆者撮影・1987年12月)。