P.D.Q. バッハの冗談音楽
冗談音楽の世界と云えばまず1950年代イギリスの漫画家ジェラード・ホフナング(Gerard Hoffnung/1925~1959)によるホフナング音楽祭のライブ盤を思い起すが今回はペン・ネーム「P.D.Q. バッハ」で知られ1980年代ニューヨークで人気沸騰したピーター・シッケレ(Peter Schickele)教授によるパロディ音楽にスポットをあててみたい。 紹介LPは1984年、キング・レコードからヴァンガード(VANGUARD)レーベルでリリースされたアイネ・クライネ・ナアクムジーク(A Little Nightmare Music)と題する短編パロディ・オペラほかを収めたアルバムである。 タイトルからも想像がつくこの作品、音楽にモーツァルトの名曲アイネ・クライネ・ナハトムジークを使用したものだがLPジャケットからは当時話題を呼んだ映画「アマデウス」も頭をよぎる。 裏面には「オクトゥート」(管楽器のための八重奏曲)のほかヘンデルの「水上の音楽」、「王宮の花火の音楽」を合成した「水上の火酒の音楽」五曲構成の組曲、これまた興味津々。 演奏はピーター・シッケレ教授指揮ニューヨーク・ピック・アップ・アンサンブル、 オペラはアントニオ・サリエリ役にバリトンのジェームズ・ビリングズ、謎の作家-ピーター・シュレッファー役にテーノルのブルース・フォードが歌う(写真1 LPジャケット、国内盤VANGUARD-K25C-335/写真2 ジャケット裏面/写真3 LPレーベル面)。