“PACHELBEL’S Greatest Hit”
今回はこれまたユニークな「パッヘルベル・グレーテスト・ヒット」と銘打った1991年に「米RCAビクター」からリリースされたCDを取り上げてみたい(写真1 CDジャケット、米RCA60712-2-RG)。 ヨハン・パッヘルベル(Johann Pachelbel/1653-1706)は南ドイツのニュルンベルク出身のバロック音楽を代表する作曲家で通称「パッヘルベルのカノン」として知られる「3声のカノンとジーグ」の「カノン」はポピュラー音楽にも編曲され親しみ深い。 このアルバムには「ルツェルン弦楽合奏団」結成の立役者ルドルフ・バウムガルトナー(Rudolf Baumgartner/1917-2002)のお手本演奏のほか編曲による7つの「カノン」が収録されている(写真2 CD収録演奏者データ)。 とりわけ注目した演奏にフルート奏者「ジェームズ・ゴールウェイ」と英国のスキャットの大御所クレオ・レーンが加わったポピュラー編曲「How, Where, When?」、 「ハンプトン・ストリング・カルテット」の「Earth Angel」、シンセサイザー音楽家、富田 勲がフル・オーケストラを模した「プラズマ・シンフォニー・オーケストラ」による「三星のカノン」などが興味を誘った。 「富田」の作品はオリジナルの「三声」に「三星」をかけたタイトルも面白い。 録音は1972年から1987年にかけてのステレオ録音である。