Y.テミルカーノフ&ロイヤル・フィルハーモニックのラフマニノフ交響曲第2番

ロシア、コーカサス出身のユーリ・テミルカーノフ(Yuri Temirkanov)も今年82歳を迎える巨匠指揮者である。 今回は彼がイギリスのロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団に定期的客演を始めたころの英EMI録音、ラフマニノフ交響曲第2番ホ短調作品27にスポットを当ててみたい。 紹介LPは英EMIから1978年にリリースされたテミルカーノフ西側デビューへの録音の一つだったと思う。 レコード制作は当時のソヴィエト国営レコード会社メロディアの協力を得て行われている (写真1 LPジャケット、英EMI-ASD 3606 /写真2 LPレーベル面)。 この日本国内盤は未発売だったためか同EMI録音のアンドレ・プレヴィン盤の陰に隠れた存在だった。 しかしテミルカーノフ盤もノーカット完全版による演奏である。 彼らしい濃密で壮麗なラフマニノフが魅力で、今となっては懐かしい「SQ4チャンネル・レコード」だった。 また当時英EMIも使用していたトレード・マーク「HIS MASTER’S VOICE」(ニッパー・マーク)はRCAとの混同をさけるためか海外輸出盤にはこの「EMI Angel」や「Odeon」などのシールが貼られていたことにも時代を感じさせる。

写真1    ユーリ・テミルカーノフ&ロイヤル・フィルハーモニック「ラフマニノフ交響曲第2番」英EMI初出LPジャケット(ASD 3606 )1978年リリース

写真2    LPレーベル面、「EMI Angel」のシールが貼られている