「私の昭和歌謡レコード史」(10)
今回紹介する「夢は夜ひらく」は1966年(昭和41年)に「園 まり」の歌で聴いたのが最初だった(写真1 「夢は夜ひらく」園 まり 初出盤シングル・ジャケット、ポリドールSDR-1210 /写真2 レーベル面) 。 この「園 まり」盤が大ヒット、追従するように「緑川アコ」(クラウン)をはじめとして各社の競作となったがやはり「園 」盤と「緑川」盤のインパクトが強かった(写真3 「緑川アコ」盤シングル・ジャケット、クラウン CW-569 / 写真4 レーベル面)。 またこの曲ほど歌詞も異なる多くのバージョンが存在することも珍しい。 調べたところこの元歌はなんでも「少年鑑別所」でよく歌われていたものから採譜、作曲家「曽根孝明(そねこうめい)」が補筆した作品とのことである。 従って「園」盤「緑川」盤も編曲・作詞者が異なる。 そしてさらにアクが強い「恨み節」調の「藤 圭子」盤がリリースされたのは4年後の1970年(昭和45年)だった。 ちなみに「藤 圭子」版のタイトルは「圭子の夢は夜ひらく」になっており作詞は「石坂まさを」、レコード売り上げも100万枚を優に超えたと云われている(写真5 「圭子の夢は夜ひらく」初出盤シングル・ジャケット、ビクターJRT-1077)。 また写真6はちょっと珍しい「ブラジルRCA盤」のこの曲を含む4曲収録の33回転盤シングル・ジャケットである(写真7 ブラジルRCAビクター、JCD-14001 レーベル面)。
(つづく)