アンセルメが語る「音楽入門」、特別付録LP
エルネスト・アンセルメが自ら創設したスイス・ロマンド管弦楽団を率いパウル・クレツキと共に来日したのはもう半世紀余り前に遡る。 筆者も心待ちにして会場の東京文化会館に足を運んだ (写真1 1968年スイス・ロマンド管弦楽団初来日公演プログラム表紙)。 アンセルメはレマン湖のほとりヴヴェイ(Vevey)出身、数学者でもあり哲学も研究した指揮者だった。 今回紹介するアンセルメが語る「音楽入門」(WHAT EVREYONE SHOULD KNOW ABOUT MUSIC BY ERNEST ANSERMET)は1969年に追悼盤として国内盤ロンドン・レコードからリリースされたオネゲル「交響曲第3番・第4番”バジリアの喜び”」の特別付録ボーナス盤である (写真2 LPジャケット、国内盤ロンドンSLA-1006/写真3、ボーナス盤LPレーベル面)。 ちなみにこの見開きジャケットの裏面写真は1968年東京文化会館公演が使用されている (写真4)。 アンセルメが語る「音楽入門」はおよそ70分におよぶ録音で彼らしい哲学的な理論で少々難しい内容だがその骨子は彼の著書「人間の意識における音楽の基礎(仏語原題:LES FONDEMENTS DE LA MUSIQUE DANS LA COSCIENCE HUMAINE)」に述べられた見解とのことだ (LP解説)。 日常はフランス語で話すアンセルメだがこの録音では流暢な英語で語っている。 難しいことは抜きにしてベートーヴェンの「コリオラン」序曲などを題材にするところなどは興味深かかった。