アンドレ・プレヴィンのショスタコーヴィチ
昨年(2019年)世界中のファンから惜しまれ89歳で亡くなったアンドレ・プレヴィン(André Previn)は古典から現代音楽まで幅広いレパートリーで知られた指揮者のひとりだった。 またロシア音楽も得意とし全集録音こそ遺さなかったがショスタコーヴィチの交響曲録音は定評ある名盤に数えられている。 今回は彼のショスタコーヴィチ交響曲録音の名盤にスポットをあててみたい。 まずショスタコーヴィチの交響曲で一番人気がありコンサートで取り上げられる機会も多い「第5番」は「ロンドン交響楽団」との1965年録音(RCA-写真1)と1977年録音シカゴ交響楽団との再録音(EMI-写真2)がある。 どちらもプレヴィンのモダンな感性がうかがえる。 後者「シカゴ響」との2CDには同時期録音「第4番」がセットされている。 この「第4番」も初出の際に話題を呼んだ録音、プレヴィンの棒が冴え渡りシカゴ響の金管群も凄みがある。 続くロンドン響とのEMI録音「第10番・第13番 « バビ・ヤール »」の2CDセット(写真3)、「第13番」は1979年の録音で当時LPは日本未発売だった。 合唱指揮にはリチャード・ヒッコクスがあたっている。 この年はプレヴィンのロンドン響-首席指揮者最終シーズンにあたりコンサートでもこの作品を取り上げ大好評だったそうである。 締めくくりは独グラモフォン1992年録音のロンドン響との「第8番」(写真4)である。 この作品は1973年のEMI録音もあるがここでは後年のデジタル録音のDG盤を取り上げた。 演奏スタイルは旧盤と変わりがないが音質が幾分スッキリした感じである。