アンドレ・ヴァンデルノートの芸術、独Weitblick
今回は日本では目立たなかった隠れた名指揮者のひとり、アンドレ・ヴァンデルノート(André Vandernoot / 1927-1991)にスポットをあててみたい。
私が彼の指揮に生で初めて接したのはかれこれ半世紀余り前のこと、彼が「読売日本交響楽団」の定期公演に客演した1965年1月のことだった。 彼は当時1月第14回定期と2月第15回定期も振っている。 因みに、私が会場の「東京文化会館」に足運んだ「第14回定期」のメイン・プログラムは「ベートーヴェン交響曲第7番」だったと記憶している。 そしてこの当時求めた彼のLPレコードが「フランス国立放送局管弦楽団」とのベルリオーズ「幻想交響曲」だった。 これは「米コマンド・クラシックス」の「35mmマグネチック・フィルム」による1960年ステレオ録音で国内盤は「キング・レコード」から発売された(写真1 ヴァンデルノート&フランス国立放送局管/ベルリオーズ「幻想交響曲」国内盤LPジャケット、 SH-5138)。 この録音は彼の名盤の一つに数えられている。 彼はベルギー出身、当初はフルート奏者を目指したそうだが指を痛め断念、指揮者に転向し1960年には「ベルギー王立モネ劇場」の音楽監督に就任している。 今回紹介するCDは彼が最晩年に首席指揮者を務めた「ベルギー・フランス語放送交響楽団(L’Orchestre Symphonique de la Radio-Télévision Belge de la communauté Française)とのコンサート・ライブを集めた「アンドレ・ヴァンデルノートの芸術(L’Art d’André Vandernoot)」という1999年「独Weitblick(ヴァイトブリック)」レーベルよりリリースされた5CDボックス・セットである。 得意のベルリオーズ「幻想交響曲」やベートーヴェン「交響曲第4番・第7番」、マーラー「交響曲第1番」チャイコフスキー「交響曲第5番」等々がライブで楽しめる(写真2 アンドレ・ヴァンデルノートの芸術、5CDボックス、独Weitblick-SSS0006-2 / 写真3 CD収録曲目・録音データ)。