アンドール・フォルデス(Pf)によるベートーヴェン「皇帝」
ハンガリー出身で戦後アメリカの市民権も得た20世紀の名ピアニスト、アンドール・フォルデス(Andor Foldes/1913~1992、写真1)はモーツァルトやベートーヴェンを得意とし独グラモフォンに数々の録音を残している。 今回紹介するベートーヴェンの名曲「ピアノ協奏曲第5番”皇帝”」は彼の代表盤の一つではないかと思う。 バックはヴィルヘルム・ケンプとステレオによるベートーヴェン「ピアノ協奏曲全集録音」(独グラモフォン)も行った職人芸的指揮者フェルディナント・ライトナーが振るベルリン・フィルとの1950年代末頃のステレオ・セッション、フォルデスのごく自然体の演奏に魅力を感じた。 紹介LPは筆者がまだ高校時代の1960年代中頃に独グラモフォンの廉価盤ヘリオドール(HELIODOR)レーベルからリリースされた国内盤である。 またLP第二面後半には「かっこうソナタ」の愛称でも親しまれる小規模ソナタ「第25番ト長調作品79」がフィルアップされている(写真2 LPジャケット、国内盤HELIODOR-SMH 1016/写真3 LPレーベル面)。