イゴーリ・マルケヴィチのベルリオーズ「イタリアのハロルド」
1960年以来から「日本フィル」や亡くなる数ヶ月前に「N響」にも客演し鬼才と呼ばれたウクライナ出身イゴーリ・マルケヴィチ(Igor Markevich/1912~1983)は1950年代に独グラモフォンに数多くの録音を遺している。 今回紹介したい彼の「ベルリン・フィル」との1955年12月モノラル録音、ベルリオーズ「交響曲”イタリアのハロルド”」は生涯唯一の録音である。 当時のベルリン・フィル首席ヴィオラ奏者ハインツ・キルヒナー(Heinz Kirchner)のソロも見事でマルケヴィチのキレのある棒が目に浮かぶ。 LPジャケットは当時のグラモフォンの統一デザイン、筆者が1970年代にロンドンの中古レコード店で求めた独グラモフォンの英国盤である (写真1 LPジャケット、独グラモフォン、英国盤・DGM 18299 /写真 LPレーベル面)。