イザベル・ファウスト、A. ジョリヴェの「ヴァイオリン協奏曲」
アンドレ・ジョリヴェ(André Jorivet /1905-1974)晩年の作品、ロシアの名匠レオニード・コーガンのために書かれたヴァイオリン協奏曲(1972)の録音は現在でも意外に録音の数が少ない。 とりわけ今回紹介するドイツの実力派ヴァイオリニスト、イザベル・ファウスト(Isabelle Faust)がベルリンのテルデック・スタジオで2005年に録音した1枚は代表的なものであろう。 管弦楽は「ベルリン・ドイツ交響楽団」、指揮はスロヴェニア出身、現在「ストラスブール・フィル」の首席指揮者を務めるマルコ・レトーニャ(Marko Letonja)である。 CDにはショーソンの名曲「詩曲(Poème)」も収録されている(写真1 イザベル・ファウスト、A. ジョリヴェ「ヴァイオリン協奏曲ほか」CDジャケット・デジパック仕様、Harmonia Mundi-HMC 901925) / 写真2 収録曲演奏時間データ等)。 この「ハルモニア・ムンディ」はフランスのレーベルだがCD盤はオーストリア・プレスになっている(写真3 CD盤レーベル面)。 ちなみにドイツ初演も作曲から30年余りが経過した2004年にこの「ファウスト&レトーニャ」コンビと「ミュンヘン交響楽団」による演奏だったそうである。 さすがにドイツ初演も行った彼女はこの録音でも超絶技巧を要する神秘感ある協奏曲を見事に鮮やかに弾き熟している。 CDジャケット、イザベル・ファウストのサインは彼女が2008年11月「新日本フィル定期」に客演した際に入れてもらったものである。